全国の入れ歯利用者アンケートで見えた新習慣
掲載日:2023.11.09 (Thu)
入れ歯を洗わない人がいる!?なかなか聞けない他人の日常
全国の入れ歯利用者アンケートで見えた新習慣、調査結果を公表!
歯科技工所運営を行う株式会社お守り入れ歯(本社:北海道札幌市、代表取締役:池田 昭)が全国の入れ歯利用者548人に入れ歯の洗浄と就寝時の利用状況についてのアンケートを実施した結果、毎日洗浄していない人が多く、就寝時に入れ歯を着けている人も増えていることが分かりました。
【毎日洗わない人が40%も!?洗い方も不十分】
入れ歯は50代から増え始め、75才以上では60%以上の人が利用しています。早い人では40代から入れ歯になる人もいます。高齢になるとオーラルフレイルにより食べ物がしっかり噛めない、うまく飲み込めないといった人が増えます。洗浄方法などの間違った認識により口腔内が不潔な状態だと、誤嚥性肺炎や認知症などのリスクも高くなります。厚生労働省の調べでも誤嚥性肺炎は死因の第6位に定着しており、今やメジャーな死因になっています。
予防には毎日しっかり入れ歯を洗浄することが重要ですが、入れ歯利用者の38.1%は毎日洗浄していないことが分かり、その内12.8%が全く洗浄していないと回答しました。洗浄方法については、ブラシで食べかすを取り除いたあとに洗浄液で一晩しっかり除菌することが推奨されていますが、正しい方法を行っている人は42.1%にとどまりました。洗浄液にどれくらいの時間浸しているかの問いでは、57.9%が一晩中と回答した一方、30分以内が19.8%と二番目に多く、全体の42.1%の人が除菌が不十分であるということも分かりました。
【じわりと広がる就寝時の入れ歯着用】
就寝時に入れ歯を装着しているかの問いでは、全部あるいは一部を着けて寝ている人が31.5%と多い結果となりました。一昔前までは就寝時に入れ歯を外すのが当たり前でしたが、2019年に神奈川歯科大学が発表したデータでは28%が装着したまま寝ると回答しており、今回の調査でも増加傾向にあることが分かりました。入れ歯を着けたまま寝る理由では、「歯科医院で言われたから」が19.7%と最も多く、推奨する歯科医が増えたことも理由の一つです。入れ歯を外して寝る理由では「入れ歯を洗浄しているから」が49.9%で最も多い結果となりました。入れ歯利用者の24.8%が就寝用にもう1個ほしいと回答しました。
【健康維持のためにも、就寝時は清潔な入れ歯を着けて寝る習慣を】
就寝時に着けて寝る習慣が広がりつつある一方で、正しく入れ歯を洗えている人はごくわずか。洗浄の時間や方法に関して誤った認識により、誤嚥性肺炎や認知症などのリスクが上がる危険性が高い結果となりました。
調査を行った株式会社お守り入れ歯の代表は「歯科医師として入れ歯治療に従事していく中で、入れ歯に関する常識も変化していると感じています。今回の調査でも就寝時の着用が増えていると分かったことは誤嚥性肺炎や認知症予防の他に、いびきの軽減や睡眠時無呼吸症候群の予防も期待できるため喜ばしく思います。しかし間違った洗浄方法や洗浄液に漬けるのは短時間で良いという認識の方もまだ多くいらっしゃいます。当社で予備入れ歯を製作した方の多くは就寝時に使用していたため、清潔な入れ歯を24時間使用できるよう、就寝時専用のやわらかい入れ歯の提供も始めました。健康維持のため、しっかり洗浄した清潔な入れ歯を就寝時も着用する新習慣が広がることを願っています。